クロスバイク、フラットバーロードと乗り続け、あるイベントに誘われのをきっかけに2017年4月にロードバイク PINARELLO GAN を購入してからもう少しで6年。先月、新しいロードバイクが納車されました。選んだバイクは TREK Émonda SL5。
新車購入までの経緯
転倒
2020年2月末、北海道が緊急事態宣言を出したりと、まだ良くわからない新型コロナに多少の恐怖感を感じ、制限あるコロナ禍生活が始まりだした頃。
毎週通っていたジム利用を避け、松本までサイクリングをしていたときでした。梓川にかかる橋を渡ろうとした瞬間、横風に煽られて大転倒。トップチューブの塗装が剥がれてカーボンがむき出しに。薄く作られているトップチューブ、内部までクラックが入ってる感じはなかったけれど、表面には少しヒビが入った状態。
補修
転倒した日の帰りに購入店に寄って相談したけれど、店では補修できないし乗り続けて安全かの保証もできないとの対応。
ロードバイクのカーボン補修といえば有名なカーボンドライジャパン(CDJ)さんがあります。こちらへ補修依頼しようかとも悩みましたが、自転車バラして配送してとか手間だし価格も安くはない。
結局、Webで色々調べ、失敗したらCDJへ出せばいいやとDIY補修することに。やり方の詳細は書きませんが、やった内容はカーボンクロスを数層をエポキシ樹脂で貼り付け硬化させる方法です。エポキシ樹脂での硬化まではそこそこ上手くできたと思いますが、塗装は失敗。キレイに仕上げるのを途中で諦めてしまったので割りと補修跡が目立つ状態でした。
とりあえず1,2年は様子見て乗り続けて、近いうちに買い替えが必要かなと、このとき判断。
何を買うか
1台目のロードバイクに PINARELLO を選んだので、2台目も PINARELLO かなぁ?スペック的にはGANと同程度のフルカーボンでコンポは105。105ですらそうだけど、アルテグラ以上はオーバースペックなので基本的に選択肢にはありません。
ブレーキは各メーカーともディスク化の流れ。未だにリムブレーキ派が多いですが、自分は重量増のデメリット以上に下りでのスピードコントロール性に期待してディスクにしたかったので問題なし。
20年の秋にPINARELLO が21年モデルを発表。新しく出た PARIS が良さそうだなってくらいで、この年の買い替えは見送り。翌年、PINARELLO の22年モデルを見て、PRINCE の BOREALIS WHITE が格好いい!
カラーは絶対的に白がよくて、まさに理想通りのホワイト。ロゴも特徴的な色合いで好み。価格50万は遥かに予算オーバーだけど、第一候補をPRINCE のホワイト、第二候補にPARIS のグレーと決めて注文しようとショップへ。
ロードバイクが買えない世の中
世はコロナ禍、なにやら世界的に自転車がブームになったり、その一方でロックダウンなどの影響で生産が止まったり減少したり。ロードバイクも例にもれずモノ不足。しかも海外での物価高の影響で、価格も高騰しまくってます。(円安の影響がモロに出てきたのは注文後の話)
22年モデル発表後の割りと早い段階で注文しに行ったのに、PRINCE も PARIS も合うサイズのものは完売。注文すら受けられない状況。他のモデルでも23年春納車とかそんな状態で注文できず帰宅。
PINARELLO は買えそうもないので他のメーカーも検討。同じジムへ通ってて一緒に走りに行ったことのある人が、チネリ・スペシャ・ジャイアント・デローザ・フォーカス乗ってるのでその辺は避けつつ、他メーカーの状況について後日聞きに行ったけれど、ヨーロッパ系のメーカーは軒並みどこも酷い状況。売れ筋のサイズなどは在庫あるのでしょうが、自分に合いそうなサイズのものはなかなか見つからない。
取り扱ってる中ではウィリエールの入手性がいいとのことでしたが、どうもロゴの感じが好きになれず却下。
世界的に見てスポーツ自転車の日本市場の弱さなどあるのでしょうし、都市部の大手ショップと違い、地方のショップの弱さもあるのかもしれません。なかなか妥協できるるロードバイクにありつけない。
納期自体は長くても良かったのですが、既に完売となってしまうとどうしようもできません。
TREKという選択
地方ではありながら、諏訪・松本周辺は比較的スポーツ自転車を扱ってるショップが多い地域だと思います。他の店舗にも話を聞きに行こうと、まずは会社近くのTREK扱ってるショップへ。
昔のイメージで、TREK の大きいロゴとかダサく感じて好みではなかったけれど、実物のTREK車見ると塗装とか綺麗でアリかなと。TREK のラインナップだと Émonda か Domane のSL5 あたりが候補になります。まあ、山がちな地域なので多少でも登坂性能高そうなÉmonda SL5 一択なのかな。状況を聞いてみると22年の10月納車予定とのこと。
その場では一旦検討すると持ち帰り、他のメーカーとも比較し直す。
注文へ
色々調べてみたものの注文すらできない状況は変わらないし、思ってたより TREK は価格も安めだったのもあって、色はホワイトが好みだけど妥協で22年モデル Émonda SL5 の Quicksilver を注文することに。
納車までのあれこれ
価格改定
注文したのが旧価格のときなので影響はありませんでしたが、TREK は22年の春に価格改定しています。自分が注文した Émonda SL5 も対象で、値上げ後の価格だと特にコスパ良いとは感じないです。
納期延期
注文時の納期予定は22年10月末でした。5月に納期が11月上旬になるという連絡が来ました。
再納期延期
11月上旬になった納期ですが、10月頭に納期が12月上旬になるという連絡が来ました。2度目の納期変更です。
モデルチェンジ
10月下旬に、「メーカーで22年モデルの生産が終わり23年モデルにモデルチェンジ、カラーについても注文していた Quicksilver から Lithium Grey へと変更になってしまいますがどうしますか?」という連絡が来ます。
注文時に、納期は特にこだわらない旨伝えていたので、納期変更自体は世の中の状況も状況だしと素直に受け入れたのですが、さすがにカラー変更までは想定していません。
店舗へ来ればカタログは見られるが、Web等での情報解禁は10月28日とのことです。
早速店舗のカタログでニューカラーを見せてもらいますが、カタログの写真と日光下での色合いって微妙に違ってたりとで判断できません。第一印象は、ロゴの赤が浮きすぎてて嫌だなぁ、です。
個人的に、赤とか青とかの差し色は好みではないので注文継続するかは一旦保留することに。
円安の影響
この頃日本はハイペースに円安が進んでおり、様々な製品で値上げラッシュでした。ロードバイクももちろん値上がります。自分が注文したときに32万ほどだった Émonda SL5 も 、春の値上げで35万、モデルチェンジで40万。
カラーチェンジが微妙なので他メーカーも調べてみましたが、コスパで有名だったジャイアントですら似たスペックのロードバイクが35万とか、105のフルカーボンとなると、30万そこそこで買えるところはほぼ皆無で、40万前後は覚悟しないといけない時代に。
キャンセルして他のメーカーに買い替えるとしても、価格は上がるし更に納期もかかるしで、あとは如何に変更されたカラーを受け入れられるかの問題になりました。
注文継続
情報解禁から少ないながらもWebに写真もUPされ出してきて、見る角度によってはロゴも落ち着いた印象に見えなくもない。黒に近いと思っていたグレーも光が当たると少し違う印象。
様々な状況と合わせて注文は継続ということでショップへ。ちょうどフレームも入荷されていたタイミングで実物を見せてもらったけれど、そこまで悪くはない印象。あとは組み立てを待つだけです。
塗装不良
納車予定の直前に「組立時に塗装の不具合が見つかったので確認してほしい」とショップから連絡があり、メーカーからは不具合箇所の再塗装か3万円の値引きの提案がされてるとのこと。
添付されていた写真では判断できず確認しに行くと、トップチューブのツートン部分の境目が浮いてるのかバリが立ってるような状態。使用中に不具合箇所が広がって再塗装するにしても3万円ではできないだろうし、これまで納期も延びに延びてる状況だったので迷いなく再塗装へ。
塗装屋が混み合ってるようで、この時点で納期は年末か年明けになりました。
ようやく納車
なんやかんやで年明けの1月中旬、注文してから実に1年数ヶ月、ようやく納車されました。不具合のあった塗装部分もキレイに仕上がってます。
10月や11月納車なら少しは走りに行けるかな?と期待していたけれど、季節は真冬。寒いし雪降るしで本格的に走るのは春を待ってからです。
Émonda SL5 の感想
外観
パーツ
現状は完成車のままで、特にカスタムはしていません。ペダルはBontrager Comp MTB Pedal Set のオイルスリックかシマノ PD-ES600 あたりを候補にしていましたが、オイルスリックは注文不可、PD-ES600は納期半年後ということで、Bontrager Comp MTB Pedal Set のブラックを選択。
ボトルケージもせっかくなので Bontrager のものを新調。あとは、サイズの関係でステムを標準より10mm短いものに変更したくらいで、ライト類は前から使っているものを流用です。
走ってみて
寒かったり他の予定が入っていたりで、1ヶ月間休日乗ることができなかったのですが、ようやく先日軽く走りに行くことができました。
PINARELLO GAN との比較しかできませんが個人的な感想を。
- PINARELLO が重量公表してないので正しい数値はわかりませんが、最低でも500g超は重量アップしている割に、漕ぎ出しのもっさり感はない。
- GAN はフォーク周りから柔らかさを感じたのに対し、Émonda SL5 の方は高い剛性を感じる。ただ、突き上げるような硬さは無くて乗り心地は割りとマイルド。
- 漕ぎ出しは重くないけど、30km/h超えたあたりからのスピード維持は GAN の方が若干楽な気がする。恐らく重量アップの主因であるホイールとタイヤの影響と思うけれど、シマノの鉄下駄が優秀な気がする。
- GAN より走りに安定感がある印象。GAN はハンドルがクイックすぎて、少しブレるような場面もあったけれど、そういったことは今のところない。ただ、Émonda SL5 の方がハンドル切れる角度が狭いので、その辺の影響もあるのかも。
- 5%より緩い登りなら割りとスーッと登る。それを超えてくると GAN より重いかな?って気がする。GAN はハムで押し出す感じでも登れたけれど、Émonda SL5 は踏み込む必要がありそう。
- ディスクブレーキの制動力はリムとの違いがわからない程度。急坂の下りでスピード制御する場合もしっかり握らないとダメだけど、リムのそれよりは少ない力でコントロールできそう。
- GANの乗り心地も好みだったが、Émonda SL5 も好印象。スプリント的な走りやヒルクライムを速く、みたいなのはちょっとキツそうだけど、少し余裕を持った速度で走るにはとても良い。
という感じで、懸念していた重量増の影響もさほど感じず、走行性能自体はとても良いと思います。長距離や10%越えが続くようなヒルクライムでどうなるかだけど、軽いギアがついているのでスピードにこだわらず淡々と登れるのではないかと思っています。
まとめ
自分が購入した30万前後ならまだしも、40万近く払って9kg近い重量のロードバイクを勧められるかと言われると少々悩むけれど、重量の割に軽く感じるというのは正直な感想です。フレーム自体はSLシリーズの上位車種と同じなので、カスタム次第ではかなり化けそうな雰囲気もあります。
重量の事もあり、自分もホイールくらいは替えたいと思っていましたが、割りと登れるのがわかったので必要ない気もしてます。もう少し軽量のタイヤに交換すれば十分かな?
競技志向のガチ勢ではなく、レース参加などに一切興味がないゆるロングライド派には良い選択でした。逆に言うと、そういう系の人は違う選択がいいかもしれません。Émonda も来年か再来年辺りにはモデルチェンジしそうですし、軽量なバイクはいくらでもあるわけですから。
ともあれ、転倒から約3年、注文から1年以上待って納車された Émonda SL5 です。当初欲しかったホワイトカラーのフレームではないですが、そうそう簡単に買い換えられるものではないので長く乗り続けられるよう気を付けて走りたいと思います。
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